前回のあらすじ
前回までで、BLE Micro Pro で 無線化した Corne Chocolate が出来上がりました。
今回は最終回で、キーマップを自分好みにカスタマイズしていきます。
キーマップを考える
どんなキーマップにしたいか、考えたり調べたりしていきます。
Corne Chocolate についての前提
Corne Chocolate は42個のキーからなっており、通常のキーボードと比べてキーの数がかなり少ないです。
数字キーが入るスペースすらありません。
そんなキーボードでどうやってキーを打つのかというと、レイヤー切り替えを駆使します。
レイヤーを切り替えるためのキーを配置して、それを押している間はキーマップが変わるような感じです。
今回は「MO」キーがレイヤー切り替えのキーとして登場します。
(たぶん「mode」キーの略かな?)
また、実は普通のキーボードにもある「shift」や「alt」もレイヤーを切り替えるキーです。 「shift」を押すと大文字になったり記号を入力できたりしますよね。
それと同じように、「MO」や「lower」を押している間、通常とは違うキーを入力できるようになるので、これで数字キーなどを押せるようにします。
↓説明用の画像です。実際に設定したキーマップとは別物。
※ 上記画像は QMK Configurator のものですが、記事執筆時点で BLE Micro Pro を使用している場合のキーマップ設定には Remap を使うことをお勧めします
自分についての前提
- Macbook Pro のJIS配列キーボードを10年くらい使っています
- 職業はソフトウェアエンジニアであり、日本語入力も英語入力も両方ともよく使います
- Macに標準で搭載されているEmacsキーバインドをよく使います
- プログラミングする際に使っているエディターではVimのキーバインドで操作します
Macbook のJISキーマップの気に入っている点
- 「control」が「A」の左にあるのがEmacsキーバインドを使う上で便利
- 「英数」と「かな」が別々のキーになっている点が、日本語入力と英語入力を頻繁に切り替える上で便利
(「半角/全角」キーでトグルするキーボードもありますが、今はどちらの状態なのかを覚える負荷がかかるので、自分の好みではないです)
Macbook のJISキーマップの気に入らない点
- 「Esc」がホームポジションから遠い(Vimキーバインドでプログラミングするので「Esc」は多用します)
- 親指を持て余している(「shift」や「option(alt)」を親指で押さえられたら合理的にタイピングできるのにな。といつも思っている)
- 数字キーを間違えずにタッチタイピングするが難しい。ホームポジションから遠く、かつ斜め上方向とかに数字キーがあるのでそれはそれは押し間違えまくります。なので数字キーをタイプするときは目線がキーボードにいってしまいます。
どんなキーマップにしたいか
- US配列ベースとJIS配列ベースでは記号の配置が大きく違うが、その点はどちらでもいい
- 「英数」と「かな」のキーは別々にしたい
- 「shift」、「alt」など含むレイヤー切り替えキーは親指で押せるようにしたい
- Vimキーバインドでの操作がしやすいキーマップ
- 「Esc」キーはデフォルトレイヤーで押せるようにしたい
- レイヤー切り替えした際に「H」「J」「K」「L」のキーが矢印キー「←」「↓」「↑」「→」になると嬉しい
- Emacsキーバインドでの操作もしやすいキーマップにしたい。そのために「control」キーはMacbookのJIS配列と同じく「A」の左の位置にしたい。
- Macbookを自分の目の前に置いて、その両脇に分割キーボードを置く形で使いたい。マウス操作はトラックパッドで行うつもり。あまり使わないキー(音量調節とか)はMacbook本体のキーボードを操作するつもりなので、Corne Chocolate には割り当てる必要なし。
このキーマップに決めた
Remapで設定した画像になるのですが、最終的にこんなキーマップになりました。
(何ヶ月も使い続ける中で調整していって、これに落ち着いた)
1枚目はデフォルトレイヤー(レイヤー0)、2枚目がレイヤー1です。
- US配列がベースになっています。キー数が少ないためどうしても独自配列になりますが、US配列ベースだとはキー配置の対称性(?)みたいなのがある分、覚えやすいです。
- デフォルトレイヤーの「MO1」を押下中はレイヤー2に切り替わります。 レイヤー2の「Lang 2」が「英数」キーで、「Lang 1」が「かな」キーです。
- 記号関係のキーはデフォルトキーに収まりきらないので、一部レイヤー2に割り当ててます。割り当ての際はレイヤー1の似通った記号と同じ場所に置いてます。(デフォルトレイヤーだと
-
/_
のキーに、レイヤー1では=
/+
を設定するなど) - 「ctrl」は「a」の左
- 「command」(画像だと「Win」)、「shift」、「alt」、「MO」といった、同時押し系のキーは親指で押せる位置にすることでタイピングを効率化しました
- 「MO」キーが右親指で押せ、かつレイヤー1の「h」「j」「k」「l」の位置が「←」「↓」「↑」「→」となっているので、右手だけで矢印キーの入力ができます
- 「command」キーでよく入力するショートカットは「command + z/x/c/v/b/a/s/d/f/q/w/r/t」あたりだと思いますが、全て左手だけで入力できます。これにより、右手でテキストをドラッグ選択しながら左手でコピーなんてことがやりやすいです。
使ってみて
これにてマイフェイバリットな Corne Chocolate が完成。記事執筆時点では実はもう10ヶ月以上使ってるのですが、とても良いです。
作るのことも自分にとっては苦労だらけでしたし、さらにこの少ないキーに慣れるのには1週間くらいかかりました。
意識せずに使いこなせるようになるには2、3週間くらいかかったと思います。
けれどその苦労もむしろ楽しかったですし、出来上がっての使用感にも非常に満足しています。
元々の動機であった肩こり解消にも明らかに効果がありました。3、4ヶ月くらいで肩こりを感じなくなったかな、という具合です。
お気に入りのキーボードを使っているというだけで毎日が楽しくなり、気持ちの面でもプラスに働きました。
不満もまあないわけではないです。
使い続けて1周年になったら、継続利用の感想・満足・不満などをまた記事にしたいと思います。
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